大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)95号 判決

ところで証拠書類の記載内容が不明瞭であつたり不正確であつたりした場合には、その証拠書類の証明力が問題となるかも知れないが、これがためにその書類の証拠能力を否定すべき謂われはない。所論の取入控と題する帳簿は、特に信用すべき情況の下に作成された書面として刑訴法第三二三条第三号に従い、これを証拠とすることができるものというを妨げないので、たとえ該帳簿の記載内容それ自体において所論のごとき不正確或は不明瞭なものを含んでいたとしても、これを証拠として採用した原判決の措置を目して違法とすべき筋合ではない。そうして、原判決の挙示する証拠を綜合して考覈すれば、原判示の事実はすべて、これを優に証明することができ、しかも記録を精査してみても、原判決の事実の認定に誤ありとするに由ないのみならず、原判決には証拠法則に違背して事実を認定した跡はない。若し、夫れ、原判決が無罪を言渡した部分と有罪認定をした部分との間に何等の逕庭がないから、有罪認定をした部分も亦犯罪の証明なきものとして無罪の言渡をすべき筋合であるというが如き所論は、まつたく独自の見解というの外なく、とうてい採用すべくもない。

従つて、原判決には論旨第一乃至第三において主張するが如き違法の廉は絶えてこれなく、各論旨はいずれもその理由がない。

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